33.仏になるには
この度、人間として生まれたことは素晴らしいですが、私たちの人生は永遠ではありません。
いつ死ぬかわからない不確実なものです。体はこの世に残されるもので、子供や孫が面倒を見てくれるでしょう。
しかし、心は誰もが面倒を見ることができないものです。ですから、次の人生に備えるべきだと教えられています。
みなさん、今の心がどこへ向かうのか、どうやって人生を整理するのかを考えましょう。
死ぬ準備ではなく、再び生まれる準備が必要です。動物として生まれ変わるのか、それとも再び人間として生まれるのか、それは悩ましい問題です。人間として生まれても苦労するだけで、望みを果たすことはできません。
そうであれば、一度生まれたら二度と死なない浄土で仏になるのが最善の選択です。
多くの仏がいる中で、阿弥陀如来だけが悪人や凡人にも救いの手を差し伸べてくれるのです。彼の懐に入るための信心が最も重要です。
この懐に入ることは、死ぬ直前のことではありません。死ぬことが不確実で怖いからこそ、健康なうちに浄土に入る準備をしましょう。
ここまで聞いてくれたみなさん、阿弥陀如来の懐へ入り帰ることを考えてみてはどうでしょうか。
「窮屈だから入りたくない」という心配は必要ありません。仕事や家庭生活にも支障はありません。この世の困難な状況でも、親のような仏が助けてくれるでしょう。
「それではどうすれば入れるのか」という問いに対して、自分から努力して抱かれるようにするのではなく、親のような仏に抱かれる子供のように信じることが大切です。
阿弥陀如来に向かう道は、赤子よりも弱く、自分で抱かれる力はありません。しかし、親のように思いやりのある阿弥陀如来は、多くの修行と超越的な力で、私たちを浄土へ引き寄せることができるのです。
この信仰の中心となるのは「南無阿弥陀仏」という六字で、この言葉を心に持つことで、三界六道を超え、安心と確定の境地に至ることができるのです。阿弥陀如来の懐へ入る道は、この言葉によって示されたものであると教えられています。